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しまねこかぶり

(一応)理系女子大生の日記です。研究室に通っています。活字と2次元が好き。マイペースで人付き合いはちょっと苦手なタイプ

顔見知りと他人の間にいる人たち

 

「顔見知り」と「他人」の境界線、すれすれにいる人。大学はそんな人が生まれやすい環境のような気がする。

 

例えば1年生の頃に行った、サークルの新歓で喋った女の子。そのサークルは、地域で配るフリーペーパーを作る、というとても心惹かれる活動をしていて、私はもう、ほとんど入部するつもりでその新歓に行った。ところが、他の1年生はキラキラキャピキャピしている子ばかりで、私はなんだかそりが合わなかった。

 

そんな中、彼女だけはすごく大人しかった。茶髪に派手な格好をしている子が多い中で、彼女は色白の黒髪とちょっと地味。私もそんな感じだったから親近感が湧いた。他の子とはうまく話せなかったけど、彼女とだけはちゃんと話せた。小さいけれど綺麗な声をしていた。

 

私は結局、そのサークルには入らなかった。でも、新歓で喋った彼女の顔だけはよく覚えていて、大学構内で見かけるたびに心の中で、あ、と思った。ある時期はたまたま同じ授業を取っていて、毎週密かに、彼女がちゃんと出席しているかチェックしていた。彼女はだいたい一人でいて、私もだいたい一人でいたので、やっぱり親近感が湧いた。声を掛けたりはできなかったけれど、何度か目は合った。向こうも私の顔くらいは覚えていてくれたのかもしれない。

 

彼女は結局あのサークルに入ったのかな。あのわちゃわちゃした空気の中で、ちゃんとやっていけたかな。私があの時入部していたら、彼女と親友みたいになったりしたんだろうか。文系だったし、大学を卒業した今はどこかの会社で働いているのかな。それを知る術はないけれど。

 

彼女だけじゃない。授業で一緒にグループワークをやった、チャラめな男の子。体育の授業で、毎週ペアになってストレッチをやった女の子。英語の授業で毎週隣の席に座っていた、早口で喋る女の子......。

 

名前も知らないし、向こうが私を覚えているかどうかも分からない。長い人生の中で一瞬交わっただけの人たち。今頃はどこで何をしているんだろう。奇跡的にまた、どこかで見かけることとかあるのかな。もしあったとしても多分、心の中で、あ、と思うだけなんだけどね。